花に償い
わたしの運命も変わった。
「本当に良かったです、生きておられて」
手を握られ、声が震えているので、また泣いているのかと顔を上げる。
図ったようにそこに顔があり、静かに唇が重なった。
驚き、後ろにさがると、それを追うように舐められる。ぎし、とベッドが軋み肩が壁についた。
唇が離されて、下から覗き込まれる。
「な、は……」
「もうちょっとしたいです」
何を!?
それを問う間も、答える間もなく、再度口づけを落とされる。
顎を掴まれ口を開けられる。わたしの顔の半分を簡単に掴んでしまえるのだと初めて知った。