花に償い
終演
長いようで短いその時間に、脳みその半分は溶けたと思う。
「うれしいです」
へらへらと笑う肇が起き上がり、わたしの背中と壁の間にクッションを入れてくれた。
ちょっと当たって痛かったのが軽減された。さっきの馬鹿犬は取消そうと思う。
「キスしても良いですか?」
「え、それは」
答える前に口を閉ざされた。ちゅ、と下唇を吸われたり、舌を絡められる。
前言撤回、待てが出来ない犬だ。
散々人の咥内で遊んだ後、頭を垂れながら「薫子さま」と囁いてくる。
つ、と太腿からその奥へ指が動く。足の付け根の、下着の上へと少し触れた。