花に償い
それにぴくり、と身体が震える。守るように足を閉じた。
「ここにもキスしたいです」
首を振る。足に挟まれた肇の手が、すり、と動く。
もっと大きく首を振った。
「だめですか?」
「だ、だめ」
「じゃあもっとこっちなら?」
手が動き、太腿の方へ降りる。それに連動するように固まっていた足が開く。
まあそれなら、と小さく頷く。
嬉しそうに肇は屈み、太腿へキスを落とす。わたしは裾を掴んでベッドへと押し付けた。
「そうでした、薫子さま、お怪我をしてたのに。すみません」
急に正気に戻ったような声に、わたしも一瞬安堵した。