花に償い
ずるりと足をひかれて、ぽす、と頭がクッションに乗った。え、と視界が天井近くに移ってぽかんとなる。
掴んでいた裾はそのままだった。ベッドには勿論ついていない。
嫌な予感が過り、それは現実となる。
ちゅ、と肇がそこへ口づけている。
「やめ、やだって……! いっ」
身体を起こそうとすると腹筋が痛んだ。あの強盗に蹴られたところ。
「安静にしてください。ちから、ぬいて」
抜けるわけがない。
足でその肩を蹴ろうとするけれど、封じ込められて終わった。
下着の上からキスされ、たまに食まれる。勝手に動く腰を宥めるように肇が撫でる。