花に償い

でも良かった、あそこで事故に遭わずに済んで。

もしかしたら、これで肇が百合音と結ばれる道も出来たかもしれないし。

そう考えると気分が上昇した。ふふ、と笑う。久しぶりに笑った気がする。

この街で学園に通える人間は限られている。
血縁、財産、能力。

しかし、そこから転がり落ちる人間もいる。

家に戻れなければ、あとは働くのみ。そうやってカーストが決まってくる。

わたしは追放された身だけれど、今だって料理屋の裏で働けているだけマシだ。

学園に通えなくなった女子生徒が娼婦になったという話も聞くくらいだから。

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