花に償い

あろうことか、怪我人の上にダイブしてきた。

「ちょっと! 痛い!」
「あ、すみません!」
「もう接近禁止! さっきの行為許してないから!」
「え、じゃあ誰が薫子さまのお世話をするんです。が風呂に、」
「一人で出来る! 早くスープ作って!」

確かにこのドタバタをあの下宿先で繰り広げていたら、すぐに追い出されただろう。

「薫子さまのお傍に、俺……」

うるうるしながら訴えかけてくる。

「……わかったわよ、接近禁止は解くから。さっきみたいなことしたら、次は頭を殴るわ」
「はい!」

嬉しそうにされるとなんか違うんだけど。

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