花に償い

まあもう突っ込むのも疲れた。

漸く離れた肇が立ち上がり、キッチンの方へ行く。その背中を見た。

まあでも、馬鹿な子ほど可愛いと言うし。

そんなに賢くなくても良いかもしれない。

「肇」

野菜を洗い始めたその姿に声をかける。

「はい」

こちらに顔を向けた。

「一番に、誰よりも、好きよ」








花に償い
おわり





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