花に償い
好きだったあの人も、学園で元気にやってるんだろうか。
それなら良いけど。
顔を上げると、わたしの唯一の一着がハンガーに掛けられているのが見えた。洗われて綺麗になっている。
律儀にどうも。
感謝しながら、起き上がり、シルクの寝間着を脱いだ。そしてその一着に着替える。
寝間着を貰おうという気は無かった。
タダより怖いものは無いし。
ベッドから降りて、部屋を出た。
そういえば、肇は何をしにあそこへ居たのだろう。
料理屋に戻るとこっぴどく怒られた。なんでもわたしは二日間帰って来なかったらしい。