毒にまみれた世界にて
「や、やだぁ!やだよ、お母さん!反省したからぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

そう言いながら泣く秀に対し、和子は迷わず電気コードを振り上げ、そして力を込めてすでに真っ赤に腫れ上がっている秀の臀部を叩く。

「あんぎゃああああああああああああ!!お、おじり壊れるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!じぬぅぅぅぅぅ!!」

もう一度和子が電気コードを振り上げたその時、ガチャリと部屋のドアが開いた。そこにいたのは、仕事から帰って来た昂と同居している義母だった。

「何だ、また体罰を受けていたのか」

泣きじゃくる秀を見て、昂は無表情のままどこか淡々とした口調で話す。義母が「あらあら」と口元に手を当てた。

「おどうさぁぁぁぁん!!おばあちゃぁぁぁぁん!!だずげでッ!!お願いだがらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

唾を飛ばし、鼻水を垂らしながら、秀はドアの前に立っている二人に懇願する。だが、無関係と完璧主義はそれに応えない。

「……風呂、入ってくる」

子育てに無関心な昂はそう言い、ドアの前から立ち去る。義母は和子に冷たい目で言った。
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