毒にまみれた世界にて
「和子さん、やったわ!ついにこの子は完璧な子になったのよ!これで黒死家も安泰だわ〜」
そう喜ぶ義母の中で、昂は静かにコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。そして、秀はまた無表情に戻っていた。
「そんな感じで頑張りなさい」
和子がそう言うと、感情のない声で秀は「はい」と短く言い、脱ぐように和子が命じていたパンツと下着を履いて部屋を出て行く。その後ろ姿を見送ってから、和子はフウとため息を吐く。
(ようやくあの子が完璧に近付いたわ……)
そう心の中で呟き、和子は微笑んだ。
それから、秀はどんどん優等生へとなっていった。テストではどんな教科でも毎回百点を取り、体育や部活では活躍し、それどころか音楽や美術まで、まるでプロと思えるような実力を出すようになり、先生たちからは驚かれ、近所の人から褒められ、和子はすっかり鼻が高い。
「高校はここに行って、大学はケンブリッジかハーバードに行きたい」
そう喜ぶ義母の中で、昂は静かにコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。そして、秀はまた無表情に戻っていた。
「そんな感じで頑張りなさい」
和子がそう言うと、感情のない声で秀は「はい」と短く言い、脱ぐように和子が命じていたパンツと下着を履いて部屋を出て行く。その後ろ姿を見送ってから、和子はフウとため息を吐く。
(ようやくあの子が完璧に近付いたわ……)
そう心の中で呟き、和子は微笑んだ。
それから、秀はどんどん優等生へとなっていった。テストではどんな教科でも毎回百点を取り、体育や部活では活躍し、それどころか音楽や美術まで、まるでプロと思えるような実力を出すようになり、先生たちからは驚かれ、近所の人から褒められ、和子はすっかり鼻が高い。
「高校はここに行って、大学はケンブリッジかハーバードに行きたい」