Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




それから二人で、ゆっくりとコーヒーを味わった。特に話らしい話はしなかったけれど、二人でいることを噛み締めるような時間だった。


「……俺、やっぱりもう1泊してもいいですか?」


もうすぐみのりが出て行く時刻になる頃、名残惜しくなった遼太郎が口を開いた。
せっかくみのりと一緒にいられるかけがえのない時間なのに、無駄にしたくないと思った。


けれども、みのりは首を縦には降らなかった。


「さっきは、あんな迷わせるようなこと言って、ごめんね。もちろん遼ちゃんとは一緒にはいたいけど、キリがないから。私は大丈夫だから、部活に行ってあげて?それに遼ちゃんだって、試合があるから体を動かしておきたいんでしょ?」


そう言って、みのりは遼太郎も納得する理由を見つけてくれる。

みのりは、一度決めたことを簡単には覆してはくれない。覆すためには、みのりが納得できる相応の理由がいる。

そのブレない思考は、みのりの実直さの表れでもある。それを貫くためには、頑固なくらいだった。
考えて決めたことをきちんと実行するのは、みのりに安心してもらうためにも必要なことだった。


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