Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
あのときは、近くにいても遠かった。隣にいても触れ合うことなんてできなかった。いや、触れることさえ憚られた。
だけど、今はこうやってみのりの部屋の中で、思いの丈の全てをぶつけてみのりに触れることができる。
遼太郎は改めて、今の状況が〝夢みたい〟だと思った。夢みたいだけど、この体に残る感覚も、目に映るみのりの部屋の光景も、手の中にある合い鍵も……夢ではない。
夢みたいな現実の中にいる幸運を、遼太郎は一人でじっくり味わった。