Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
もう一つ考えられるのは、みのりに仕事を辞めてもらう……という手段があるが、みのりが今の教師という仕事にやりがいを感じてる以上、辞めてほしくはなかった。
やりがいを感じていないわけがない。
遼太郎に対しても、あんなに誠心誠意すべてを尽くして指導をしてくれたみのりは、教師という仕事を本当に大切にしているに違いない。
そうなると、やっぱり自分が地元に就職するしかないのだけど……。
思考が行ったり来たりして、遼太郎は意志が定まらない。そんなことを迷っている間にも、もう就職活動は本格化してしまう。
——……先生に相談すべきなんだろうか……。
みのりとの未来に関わることなのだから、一緒に考えてもらうのが最良なのは分かっている。
だけど……、
『遼ちゃんが自分で考えて、一番やりたい仕事を選ぶべきだよ』
みのりの声が聞こえてきたような気がした。
みのりはきっと、二人一緒の未来よりも遼太郎の夢や、遼太郎のやりたいことを優先させるだろう。遼太郎がそう思わなくても、みのり自身が遼太郎の〝足枷になる〟と思ってしまう時、また遼太郎の前から姿を消してしまうかもしれない。