Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
その刹那の、遼太郎の得も言われぬ優しい微笑み。それを見た瞬間、みのりの胸がキュンと高鳴り、いきなりドキドキと動悸がし始めて息ができなくなる。
普段から優しい遼太郎でも、こんなふうに微笑みかけるのはみのりにだけだった。
みのりがOBの集団に近づくと、遼太郎や二俣の同級生やその下の卒業生など知った顔があって、挨拶をしに来てくれた。
「先生、お久しぶりです」
恥ずかしそうにそう言ってくれたのは……、
「衛藤くん!本当に久しぶり!同じ市内にいるのに、全然会えなかったね」
みのりが微笑みかけると、ますます恥ずかしそうに顔を赤くさせた。その表情は高校生の頃を思い出させたけれど、やっぱり職人として修行をしてきた月日の、貫禄のようなものが感じられた。
——みんな、大人になったなぁ……。
教え子が立派に成長してくれていることは、嬉しい気持ちには変わりないけれど、みのりはほんの少し寂しくなる。なんだか自分だけ、取り残されているような感覚になって……。
俊次が用意してくれていた特等席は、OBの家族たちがいる場所ではなく、ピッチに面したラグビー部員たちが待機する場所の、最前列に置かれたパイプ椅子だった。
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今年は皆様のおかげで充実した一年を過ごすことができました。
また来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。
2023.12.31
皆実 景葉
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