Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
風もなく、ポカポカとした陽だまりの中、同じような姿をしてのいる男たちの中から、遼太郎の姿を探す。
ピッチの半分ほどを使って、さまざまな走り方をして行ったり来たりしているところに、みのりは目を凝らす。
——いた!
サイドステップをしている遼太郎。隣にいる懐かしい仲間と笑い合って、本当に心の底から楽しんでる顔だ。
「ふふ、すごく楽しそう。遼ちゃん、あんな顔してラグビーの練習するんだ……」
思えば、ラグビーを観に行っていたのは試合の時ばかりだったので、いつも真剣な表情をしていた。こんなふうにリラックスして練習をしているところを見るのは、初めてだった。
遼太郎がご機嫌だと、みのりも嬉しくなってくる。
遼太郎があんな風にいきいきとして、のびのびと笑うのを、二人きりのときには見たことがない。
「私といるときより、楽しそうかも……」
みのりはポツリとそう呟くと、ハッとした。
もしかして遼太郎は、二人でいるときにまだ委縮しているのかもしれない。遼太郎と話をしているとき、時折教師面してしまうことは、みのりも自覚していた。
——私、もう遼ちゃんの先生じゃないんだから、先生みたいなこと言わないようにしなきゃ……。