Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




みのりがずっと一心に見つめていたからか、不意にみのりへと視線を向けた遼太郎と目が合う。

みのりがどんな反応をするべきか迷う間にも、遼太郎が先にニコッと笑いかけてくれる。

みのりも同じように笑って返したかったが、とっさに顔が作れずに、ただ顔を赤くするばかりだった。そんなみのりを見て、遼太郎はいっそう優しく笑う。


この瞬間みのりは、本当にものすごく、とんでもないくらい幸せだと思った。
二人きりの部屋で抱き合っている時もこの上なく幸せだけれど、こんなふうに大勢の中にいるときでも、お互いの想いを確認し合えるなんて、夢を見ているみたいに幸せだった。


遼太郎に見惚れているうちに、ウォーミングアップは終わり、いよいよ試合が始まる。最初の試合は、俊次たちの現役のラグビー部員と遼太郎たち大学生世代のOBが対戦する。


「よし、みのりちゃん!これから兄ちゃん達をぶっ潰してくるから、応援頼むよ!」


水を飲んで一息吐きながら、そう言う俊次は、もうやる気満々だ。


「……え?ぶっ潰すって……?」


その言葉の意味をどう受け取るべきか分からなくて、みのりは不安になる。この俊次の体の大きさからすると、遼太郎を〝ぶっ潰す〟のは簡単に思えた。



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