Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
そうやってラグビーについてみのりが理解を深めている間にも、時間は過ぎていき、あっという間に前半が終わってしまった。
スコアは14対0。
高校生側は善戦しながらも無得点。何度もゴールラインに迫る時にはいつも、やる気に満ち溢れている俊次が絡んでいた。
俊次はまさに、諸刃の剣だ。やらかしてしまう反面、目を見張るような活躍もする。それをどう育てていくのかは、江口の手腕にかかっているのだろう。
OB側は遼太郎のトライのほかに、前半終了の直前にフォワード勢がゴールライン際の攻防を制し、もう一つトライを挙げていた。
「ああ!!やばい。マジでしんどい!もう死にそう!!」
肩を大きく上下させ、呼吸困難になりながら、二俣が戻ってくる。
——ほら、やっぱり。三年のブランクは、誤魔化せないって。
みのりはツッコミたくなったけど、心の中だけに留めておいた。
すると、その心を読んでいたかのように、二俣が振り返る。
「みのりちゃん。最後のトライ見た?俺の快挙!」
迫ってくる山のような二俣に気圧されて、みのりは気の利いたことが言えなくなる。