Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「え?最後の…?二俣くんのトライだったの?人だかりで見えなかった」
「もう、みのりちゃん!『人だかり』じゃねーよ!あれ、〝ラック〟って言うんだよ。…てか、どうせみのりちゃんは〝誰かさん〟ばっか見てて、俺なんて眼中にないみたいだけど!」
「は…?!」
みのりは、二俣の大声で放たれた言葉に反応して、眉間に皺を寄せた。
二俣はみのりをいじって楽しんでいるのだろうが、周りの人に変に勘繰られたり、深く突っ込まれたりしたら、遼太郎とのことがバレてしまうかもしれない。……特に、俊次に。
とっさにみのりが俊次に視線を走らせると、こちらを見ていた俊次とパチっと目が合ってしまった。
そして、俊次はみのりの方へ足を向けて、側までやってくる。
——え?まさか、バレた……!?
みのりの心臓がいきなりバクバクと鼓動を打ち始める。
今、俊次に知られたら、どう対応すればいいのだろう?彼を刺激せずに真実を告げるには、どんな言葉が一番適当なのだろう?
遼太郎に助けを求めたいけれど、今は絶対に視線を交わすのもダメだと思った。
「そりゃ、みのりちゃんは俺の応援に来てるんだから、俺ばっか見てて当然だろ!」
俊次はそう言って、みのりと二俣の間に割って入り、胸を張った。