Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「ふっくん!修正点を話し合うから、こっち来て」
それから、二俣の隣にいたみのりへも視線を向け、目が合うと遼太郎らしいはにかんだ笑顔を見せてくれた。
二俣を輪の中に迎え入れ、話し合いに戻る。その遼太郎の背中を見て、みのりの胸がまたキュンと反応してしまう。
けれども、俊次の気持ちを思いやって、その胸がチクリと後ろめたさに侵された。
試合は高校生の試合に則って行われているので、ハーフタイムは5分間しかない。あっという間に後半が始まった。
遼太郎が久々にラグビーをプレーするこの貴重な時間は、あと30分しかない。
均等に並んでバックスラインを作り、ボールが密集から出てくるのを待ち構えている一人が遼太郎だ。
遼太郎のプレーの一瞬さえも見逃したくないみのりの視線は、自然とそこに吸い寄せられる。俊次の応援をしなくてはいけないことは分かっているのに、どうしても心は遼太郎に向かって研ぎ澄まされていく。
「あいつ……、さっきお兄ちゃんに大声出してたけど、……ケンカしてたの?」
いきなり耳元で囁かれた声に、みのりはビクッと体をすくませた。すると、パイプ椅子の隣にピッタリくっついて、愛がしゃがんでいる。
自分の好きな人が自分の兄と仲違いしてしまうのは、やはり心中穏やかではいられないのだろう。