Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりは愛の不安を払拭するように、明るく微笑んで見せた。
「ケンカじゃないない。俊次くんが二俣くんを煽るもんだから、二俣くんが俊次くんをからかっただけだし。あんなの、ネコのじゃれ合いみたいなものよ」
「……そうなんだ。ま、二人とも、ちょっと似てるところがあるから、ぶつかりやすいのかも……」
愛は少し安心したように頷いて、激しい場面の試合へと視線を向けた。
「ケンカするほど仲がいいって言うしね。…二人の場合はケンカじゃないけど」
みのりがそう付け足すと、愛はお互いラックに入ろうとしている俊次と二俣を見ながら、フッと笑いを漏らした。
「……二俣くん、愛ちゃんが俊次くんのこと好きって知ったら、どんな反応するかな?」
今度はみのりが、愛の耳元で囁いた。
すると、愛はびっくりした顔を真っ赤にさせて、みのりを見上げた。
「……っ!お、お兄ちゃんには、絶対に言わないで!!」
たしかに、二俣がそれを知った時には、それはそれで一騒ぎありそうではある。
「言うわけないでしょ。でも、二俣くんって、変なところで勘がいいから、気づいちゃうかもね」