Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
……かと誰もが思った時、遼太郎はトップスピードで走りながら、2,3歩ステップするような動きをした。
「……!?」
ぶつかるとばかり思っていたみのりは、息を殺したまま凝視する。
正面から当たる気満々だった俊次は、遼太郎がペースと軌道を変えたことによりタイミングをずらされて、一瞬動きが止まってしまう。
遼太郎はそこで俊次を抜き去りたかったけれど、俊次は思ったよりも手強かった。瞬時に遼太郎の動きに対応して、何がなんでも止めようとタックルを挑んでくる。
躊躇することなく当たりに行った俊次と、突進する遼太郎。
遼太郎が激しく倒されてしまうと思ったみのりは、体をすくませた。
ドン!
と、鈍い音がしてみのりが目を凝らすと、地面に転がっていたのは俊次の方だった。
遼太郎はそのまま走り切るかと思いきや、ゴールラインの直前で高校生ウイングが懸命に走って追いついてきたので、フォローしていた味方のウイングにパスをして躱し、そのウイングがトライを取った。
遼太郎の見事なプレーに、ワッ!と歓声が沸いた。
「え……?今、何が起こったの?」
目の前で起こったあっという間の出来事に、みのりは呆然とした。
みのりの呟きを聞いて、江口が解説してくれる。