Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
・OB会 ④
「お疲れ様——」
みのりはにこやかに笑って、戻って来た選手たちを労った。
OB達の中には、疲労で動けないほどの者が何人かいて、そのうちの一人が衛藤だった。それでも、一生懸命やったことは、体の所々に傷を作っていることからも分かる。
遼太郎は特に疲れている様子はなかったけれど、やっぱり左の頬に擦り傷を負っていた。その傷に目を留めたみのりの視線に気づいて、遼太郎はニコリと笑いかけてくれる。
一方、いつも頑張りを誉めてもらいたがる俊次は、仏頂面をしてみのりの側を通り過ぎてしまった。
「……?」
俊次に相手にされないと、みのりはここにいる名分がなくなったような気持ちになって、途端に肩身が狭くなる。
二俣をはじめ周りの選手達は、お互いのプレーについて語り合い、大いに盛り上がっているので、ますますみのりの居場所がなくなる。
すると、遼太郎がみのりの肩を叩いた。
「俊次は試合に負けて、むくれてるだけですから、気にしなくていいですよ。それより先生、こっちに来て一緒に遊びませんか?」
みのりは目を見張って、言葉の意味を考えた。
「……え?遊ぶって??」
こんなところで何をして遊ぶのだろう?
遼太郎の言葉の意味が理解できずに、みのりの思考は甘い願望へと向かい始める。