Rhapsody in Love 〜二人の休日〜



ジロジロと子ども達から視線を注がれたけれど、みのりはここぞとばかりにニッコリと笑顔を向ける。
すると、子ども達の方が恥ずかしがって目を逸らした。


「それじゃあ、今年もラグビーボールを使って遊んでみたいと思います。まず、同じくらいの年の子同士で、4人組を作ってください」


遼太郎が指示を出すと、早速子ども達はお互いの顔を見合って、グループを作り始める。


「いい?できる限り年の近い子でグループを作るんだよ?みんなで話し合ってね」


その条件を提示された子ども達は、〝適当〟ではダメなことを悟る。それまでは別々に遊んでいた子同士でも、お互いに年齢や誕生日を言い合って、コミュニケーションを取り始めた。


——あ。仲良くならせるの、上手だな。


みのりは教師の視点から、素直に感心した。
ラグビースクールのコーチを始めて2年間の経験は、遼太郎に様々なスキルを培ってくれてるようだ。


「小さな子は大きな子が助けてあげないと、難しいかもしれないね」


もう一言、遼太郎が声をかけると年長の子達は、小さい子達が言いたいことばかり言い合ってまとまってないことに気がついて、調整役になる。


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