Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
——むむむ…。遼ちゃん、声の掛け方も絶妙!
本当に些細なことかもしれない。だけど、こう言ったことの積み重ねで、リーダーシップは育っていくのかもしれないし、小さい子にも他人の意見を聞くことの大切さを教えることができると、みのりは思った。
程なく4つのグループが出来上がったが、子どもは15人しかいなかったので、ちょうど良く4人組を作るには一人足りない。そこで遼太郎は考えた。
「先生、このグループに入ってください」
と、みのりが入れられたのは一番小さい子達のグループだった。
「え?先生なの?」
子ども達から当然の疑問が飛び出てくるので、みのりも教師らしい口ぶりで説明する。
「私はあそこに見えてる高校で先生をしてるんですが、今日はこの狩野のお兄ちゃんの助手なんです」
「先生で大人なのに、どうして小さい子のグループに入るんですか?」
その問いにはみのりも答えられずに、遼太郎に視線を投げかける。すると、遼太郎はみのりから視線を逸らし泳がせながら、
「……それは……。いや、やってみたら解るよ」
と、微妙な笑みを浮かべてお茶を濁した。
そんな遼太郎を見て、みのりは遼太郎の意図を汲み取る。
——わかった…!遼ちゃん!!小さい子にはちょっと難しい遊びをするから、私は小さい子達を助けてあげたらいいのね?