Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりは〝助手〟としての使命を全うしようと、俄然やる気になって小さい子達の列に並んだ。
「さあ、ゲームをやってみるよ」
遼太郎は全てのボールを正方形の真ん中に集めてから説明を始めた。
「まず、一つのグループの4人は四隅に一人ずつ立ちます。それで、制限時間内にこのボールを自分の今立ってる場所にいくつ集められるか、競争します。他の子の場所に置いてあるボールを取ってきてもOKです。でも、一度に持てるボールは1個だけです。最初はお手本。いちばん大きな子達のグループからやってみよう」
大きな子達と言っても小学校の中学年くらいの子達。男の子と女の子は同数。その子達が立って、それぞれ四隅の位置に着いた。
そして、いつから携帯していたのか、遼太郎が首から下げていた笛を「ピッ!」と吹く。
——遼ちゃん、素敵…!体育の先生みたい!
みのりが凛々しい遼太郎に見惚れてポーッとしている間にも、ゲームは白熱しはじめる。
「わー!取って来ても、すぐ無くなっちゃうよ!」
「ほら!頑張れ!!」
周りにはゲームの順番を待つ子ども達とお母さん達が、取り巻いて声援を飛ばしている。