Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
ますます活発に走り回る子ども達。
けれども、大人のみのりが幼稚園児にぶつかって、転倒させるわけにはいかない。
「は…っ、おっ…と。うわっっ!」
子どもを避けながら動いていた時、後ろから別の子どもにぶつかられてバランスを崩し、正方形の真ん中で、ものの見事にすっ転んでしまった。
——ああ、先生…!!(やっぱり…!)
半分くらい想定していたけれど、うつ伏せになって倒れているみのりを目の当たりにすると、遼太郎はすぐにでも駆け寄って抱き起こしてあげたくなる。
しかし、そんなみのりを気にすることもない子ども達は、ボール集めに忙しいから、遼太郎も迂闊に手が出せない。
すると、盛んに動き回る子ども達の中で、みのりがむっくりと起き上がった。地面に手をついて立ち上がり、遼太郎を振り返ると、恥ずかしそうに笑った。
——う…!先生、可愛いすぎる……!!
その笑顔の可憐さに、遼太郎は安心するよりも、胸が甘く痺れてしまう。
みのりは、自分が持っていたはずのボールを探して足元を見回したが、それは既に誰かに持って行かれてしまっていた。
そして、そのタイミングでタイムオーバーとなった。