Rhapsody in Love 〜二人の休日〜

・OB会 ⑤







「お!こっちの方も楽しそうじゃんかよ」


暇を持て余していた二俣が、みのりの隣に来て座った。


「あら?二俣くん、高校生達と練習してるのかと思ってた」


みのりの言う通り、俊次をはじめ高校生達は、少しの時間も惜しんで子ども達が遊んでいる向こうで、いつも通りの練習をしている。


「なんでガキ共の練習に付き合わなきゃならないんだよ。そんなこと好き好んでやるのは、遼ちゃんくらいだっての」


「……ガキ共……って」


二俣の言葉を聞いてみのりが苦く笑うと、二俣の方もみのりの言葉に反応した。


「あ、今。『自分もガキのくせに』…って、思ったな?」


「いや、二俣くんのことは『ガキ』なんて思ってないよ。もう大人じゃない」


「そうだよな。俺は遼ちゃんと同級なんだから、『ガキ』なんて思ってるわけないよな?」


その言葉の意味するところを察して、みのりは恥ずかしそうに笑って二俣を見上げた。


「……二俣くんには、ものすごく感謝してるのよ?あのとき二俣くんが会いに来てくれてなかったら、今こんなふうに平和なお正月は過ごせてなかったと思うから」



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