Rhapsody in Love 〜二人の休日〜

「今から俺がこのボールをキックして飛ばすので、先生はふっくんと走ってボールを取りに行って、ランパスしながら戻って来てください」


ランパスとは文字通り、走りながらパスをするラグビーの基本だ。


「よっしゃ、分かった！みのりちゃん、行くぞ！」


「えっ！えっ？！…私、ランパスって、やり方分かんないんだけど…っ」


と、みのりが戸惑っている間にも、遼太郎は高くボールを蹴り上げた。
二俣はすぐに反応し、ボールが飛んで行った方へ走り出す。


「みのりちゃん、何やってんだ。一緒に来ないと、パスできねーだろ！」


「…う、うん…！」


みのりも一目散に二俣を追いかける。
先にボールに追いついた二俣が、それを拾い上げた。


「うわ、このボール、ちっせぇな。ほら、みのりちゃん。投げるよ」


と、みのりの方へボールが飛んできて、みのりはおっかなびっくりドッヂボールのように受け止めた。


「…な！なんじゃ、その取り方は！走りながら、こう。胸のところで手で取るんだよ！」


二俣は胸の前で、両手をハの字の形にして見せた。
そして、みのりが投げようとすると、


「ああ！ダメダメ！俺を追い越してから投げるんだ」


また、大きな声でダメ出しされた。