Rhapsody in Love 〜二人の休日〜

二人のランパスのやり取りを眺めていた子ども達は、二俣が慌ててボールを拾いに行く光景を見て、


「アハハハハ！」


と、声を立てて笑い転げている。


二人は（特にみのりは）極めて真面目にやっているのに、傍目ではコントをやっているようにしか見えない。遼太郎も思わず笑ってしまう。



「あー、ただのランパスなのに、やけに疲れた」


ようやく戻って来た二俣は、大きなため息をついた。かと思ったら……、


「さあ、今度は！みのりちゃんと遼ちゃん、二人で行ってこい！」


自分の手にあったボールを、思いっきり蹴って飛ばした。

たった今、走ってたどり着いたみのりは、息を荒げながら遼太郎と顔を見合わせた。
どちらにしても、遠くへ飛んで行ったボールは取りに行かなければならない。


「じゃあ、行きましょう。先生」


遼太郎が振り向きながら走り出す。


「えええ？！もう一回〜？」


みのりは悲鳴のような声を上げながら、後に続いた。


ボールを拾い上げた遼太郎が、みのりに声をかける。


「先生、投げますよ。構えてください」


「うん！」


みのりがそれっぽい手つきをして見せて応えると、遼太郎は、


「あれ？案外、様になってますね」


と言いながらボールを投げた。