Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




「ふふん!伊達に試合を観てないからね。…って、さっき二俣くんに教えてもらったのよ」


と、みのりは走りながら胸の前でボールをキャッチした。

さっきの二俣が投げたボールより、みのりの手は痛くなかったし、距離もちょうど良かった。
遼太郎は自然と走るスピードを落として、みのりを先に行かせる。

パシッといい音が響いて、みのりからパスを受けると、


「あっ、上手いですね!」


と、すかさず褒めてくれた。

みのりの胸の奥がくすぐったくなって、ドキドキしてくる。


そして、アイコンタクトをしてから再びボールが飛んでくる。


——二俣くんと全然違う!すごくやりやすい!


とても軽快に、遼太郎とのパスは繰り返された。


二回目なので、みのりも先程よりも少しは上手くなっているはずだ。けれども、それだけではなくて、遼太郎が優しくリードしてくれていることが、このスムーズさの理由だった。


「遼ちゃん!…私、…今、ラグビーしてるね!」


息を切らせながら満面の笑みで、みのりがそう言った。


「…私、遼ちゃんとラグビーしてる!…すごく嬉しい!」

 
その笑顔に、遼太郎の胸がズキュン!と撃ち抜かれた。


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