Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
——くぅぅ〜!先生、可愛すぎる!!
遼太郎の視線と意識がみのりに釘付けになって、その手元が狂ってしまう。
「あっ…!」
みのりが構えた場所に投げられなかったボールは、みのりの手を逸れて転がっていく。
その転がった先で、ちょうどそこを歩いていたラグビー部員の足で蹴られて、もっと遠くに行ってしまった。
「あらら…」
みのりが追いかけようとした時、そのボールを拾い上げたのは俊次だった。
「おーい!俊次くん、こっち、投げてー」
みのりの声が聞こえて、俊次は拾ったボールと手を振るみのりを交互に見て状況を覚る。
そして、俊次がボールを投げようと腰の位置へ腕を一度引いた瞬間、それを見ていた遼太郎が血相を変えた。
「……俊次!!スクリュー(※)はダメだ!!」
警告の大きな声が響き渡った時には、既にボールはみのりに向かっていた。
その今までのパスとは違う球威に、みのりは思わず怯んでしまう。どうするべきか迷って体をこわばらせた時、
バシッ…!!
ボールはみのりの顔面に直撃していた。
——やってしまった…!!
そう思った時には、あまりの衝撃にみのりはふらついていた。そして、倒れてしまうよりも先に、意識の方が飛んでしまった。
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※スクリューパスの略。スクリューパスは回転をかけて投げるパスで、遠い所まで投げる場合に使う。