Rhapsody in Love 〜二人の休日〜



「ええ?これくれるの?みのりちゃん、ありがとー!すごいやる気出てきたー」


小さなチョコの箱たった一つに感激してくれる、この愛のリアクション。大変なことを目の前にしても苛立ったりせず、すごく前向きに努力ができる愛は、本当に健気で可愛い。

こんなにも可愛いからこそ、その心の中で育てている想いを叶えてほしい。

愛がみのりの気持ちを後押ししてくれたみたいに、みのりも二の足を踏んでる愛の恋のために、力になってあげたいと思っていた。
今は一番大事な時で、恋愛よりも勉強に集中させてあげないといけないけれど、それが終わって卒業までには、何かしら進展させてあげたかった。


朝の冷え込みが嘘みたいな小春日和の陽気の中、コンビニから学校へ戻る道を歩きながら、みのりは考えた。


——愛ちゃんよりも、問題は俊次くんよ……。


俊次は愛のことが嫌いではない。むしろ好きだろうと、みのりも思っている。
でも俊次は、愛の相手となるには精神的に今一つ成長しきれていない感じがする。

俊次がいざ愛の気持ちを知ってしまったとき、それをきちんと受け止めきれるか……、それはみのりにも分からなかった。


< 29 / 253 >

この作品をシェア

pagetop