Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
にっこりと可愛らしい笑顔に、遼太郎の胸がキュンと反応してしまう。居間の真ん中で立ちすくんでいる遼太郎に、みのりが首をかしげる。
「遼ちゃん?どうしたの?」
その仕草にまた胸が撃ち抜かれる。その感覚に耐えながら、遼太郎はみのりに目を合わせた。
「ああ、おかえりなさい。早かったですね」
「うん。特に急ぎの仕事もないから、休みとって帰ってきちゃった」
みのりはそう言いながら、バッグを机に置いて向き直る。
「遼ちゃん?お願いがあるの」
「はい」
「あの…、帰ってきたから、ギュッてして?」
——……ああ!!
遼太郎の自戒など少しも知らないみのりの、遼太郎を見上げるつぶらな瞳。その可愛さは、もう反則級だった。遼太郎は自制心をフル稼働しつつ、みのりに手を伸ばしその懐に抱きしめ、ギュッと力を込めた。
みのりも遼太郎の背中に腕を回し、ギュッと力を込めると、
「ああ、会いたかった……」
と、安堵するかのように遼太郎の胸で大きな息をついた。
数時間しか離れてないのに、『会いたかった』と言ってくれる。こうやって自分の腕の中で安心しきってくれる。そんなみのりが遼太郎は愛しくてたまらない。