Rhapsody in Love 〜二人の休日〜



「……え」


黄色い卵の上にケチャップの赤で、『スキ❤︎』と書かれている。それを見て、遼太郎は赤面し、スプーンを入れるのをためらった。


「こんなこと書いてくれてると、もったいなくて食べられなくなります」


それを聞いて、みのりはまた面白そうに笑った。


「それじゃ、こうしようか?」

と、『スキ❤︎』の文字のケチャップをスプーンでこそぎ取ると、そこに『たべて❤︎』と書き直した。
それがまた、遼太郎には意味深に感じてしまって、ますます顔が赤くなる。


——もう、先生!勘弁して…!!


みのりを『たべて』しまいたくなる衝動を堪える間、遼太郎のスプーンを持つ手はプルプルと震えた。

その間も、みのりはじっと見つめて食べてくれるのを待っている。遼太郎は気を取り直して、オムライスにスプーンを入れた。すると、その美味しさに胃袋が覚醒する。パクパクと次々にスプーンが遼太郎の口に運ばれるのを見て、みのりが言った。


「ほらね。夜通しあれだけ動いてて、お腹すいてないわけないもんね」


食べるのに一生懸命なのか、ただ恥ずかしいだけなのか、返す言葉がない遼太郎に、みのりはまたフフフ…と笑みをこぼした。


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