Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


「あれ?遼ちゃん、洗濯も?シーツも洗ってくれたの?」


ベランダにある洗濯物を見て、みのりが驚いてる。


「ほんの3時間くらいなのに、あれもこれも…。本当にありがとう」


面と向かってお礼を言われても、遼太郎の動機は〝疲れたい〟だったわけで…、ちょっと複雑な心持ちになる。


遼太郎が高校生の時から変わらないはにかんだ表情を見せると、みのりはいっそう優しく微笑んだ。


「それじゃ、シーツ替えくらいは私がしなきゃ」


と、みのりはクローゼットの中の衣装ケースから替えのシーツを出して、遼太郎が食べてる間にベッドメイキングに余念がない。


「さあ、これで今日も気持ち良く寝られるよ」


みのりの言葉に深い意味はないと分かっているのに、『気持ち良く寝られる』なんて言われると、遼太郎はソレをしていることしか考えられない。


——ああ、もう!おかしくなりそうだ!


耐えられなくなった遼太郎は、みのりを襲ってしまう前に、一つの提案をした。


「先生、これからどこかに出かけましょう」


それを聞いたみのりは、ちょっと意外そうな雰囲気を漂わせたが、すぐに納得した面持ちになった。


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