Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
そうしてひとしきり遼太郎の寝顔を眺めて、みのりは時計を見上げた。ひと眠りする時間はもうないので、そろそろベッドから出て朝食の準備をしようと思った。
そっと掛け布団をめくると、何も着けていない体が冷気にさらされる。遼太郎を起こさないようにその隣から抜け出し、ベッドの縁に座ってまさに立ち上がろうとした。そのときだった。
「!!?」
みのりの体は背後からの長い腕によって、ガシッと拘束されていた。
「は…?!遼ちゃん?びっくりした…!」
遼太郎の熱を持った体がみのりの背中に密着して、みのりを抱きしめる腕に力が込められた。
「誰が、『かわいい』んですか?」
みのりの耳元に、遼太郎の不服そうな息がかかる。
「え?遼ちゃん、さっきの聞いてたの?!」
遼太郎はみのりの問いには答えずに、耳から首筋へと唇を這わせた。
「や…、遼ちゃん、ダメよ。もうご飯食べて仕事に行かなきゃ」
みのりの言葉は聞こえているはずなのに、遼太郎はみのりをガッチリと捕まえたまま、首筋から肩へとキスを止めようとしない。