Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「長くなりそうだから、続きはドライブしながらにする。出かけるんでしょ?」
そう言いながら、きれいに食べあげられていたオムライスの皿をキッチンのシンクに持っていく。みのりが洗い物をしている間、遼太郎も歯磨きや着替えをして、出かける準備をした。
「どこ行きますか?」
みのりの車の運転席に乗り込んで、シートベルトをしながら、遼太郎が尋ねる。行き先が決まらないことには、車を動かしようがない。
「うーん。遼ちゃん、どこか行きたい所ある?」
逆にみのりから問われて、遼太郎も考え込む。
近場だと知り合いに出会ってしまう恐れがある。別に付き合っていることを秘密にしたいわけではないけれど、帰省していることが実家にバレてしまうのはまずい。
ここを拠点にデートに最適な所を、遼太郎は思いつくことができなかった。離れ離れのときはいつも妄想が果てしなく広がっていくのに、前もってロマンティックなデートスポットを調べていなかったことが、今更ながらに悔やまれる。
思いつかないのはみのりも同じのようで、首をひねりながら考えて、
「あ……」
と、小さな声をあげた。
でも、なかなかそれを提案してくれない。