Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
古庄はイケメンだけではなく性格も気さくでいい人みたいだから、なおさらタチが悪い。こんな人物が本気でみのりのことを好きになったら…なんて想像すると、遼太郎は生きた心地がしなくなる。
『遺跡?』
古庄の問いかけは、遼太郎の頭に浮かんでいた疑問と同じだった。
「うん。古庄先生の実家の山に城跡の遺構とか、五輪塔の群衆墓が見つかったって言ってたでしょ?」
『ああ!そのことか』
「その遺跡、見学させてもらえるかな?それを聞こうと思って。来年には発掘が始まるって聞いたから、今のうちに見ておきたくて」
『へぇ、ねえさん、発掘するってよく知ってたね』
「県立史料館で臨時職員してたから、知り合いがいて教えてくれたの」
『ふーん。ま、見学はできなくはないけど、分かりにくい所だよ?』
「地図とかメールで送ってくれないかな?」
『え…、地図は面倒…ってか、地図見ても分からないだろうから、俺の実家まで来てくれたら案内するよ?実家の住所はパソコンからメールしとく』
「は?わざわざパソコン?」
『俺の実家の付近、携帯の電波入らないんだ』
「…えっ?!どんだけ山奥なの?でもまあ、それじゃお願いします」