Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「先生に観てもらうの久しぶりだから、緊張しますけど」
遼太郎がそう言うのを聞いて、みのりは微笑んだ。
「そうは言ってても、遼ちゃんはラグビーしてる時が一番生き生きしてるから、試合が始まると緊張なんて忘れちゃうんじゃない?」
「え…、生き生きしてますか?一番?」
「もっと生き生きしてる場面があるのかもしれないけど、少なくとも私が知ってる遼ちゃんの中では一番だと思う」
「そうですか……」
遼太郎の自己認識では、みのりに会っている時の自分の方がよっぽど生き生きしていると思っていた。
「遼ちゃんって、ラグビーする時はチャンネルが変わるよね?普段と目つきが全然違うの。そのギャップに、もう!胸が鷲掴みにされてキューンとするのよ」
みのりはその時の遼太郎を思い描いているのだろうか。頬を染めて、胸の上に両手を置いて、目をギュッと瞑った。
その様子をチラリと横目で見て、遼太郎の胸もドキドキ踊り始める。
「……そ、そうなんですか」
「うん。また遼ちゃんがラグビーするところ観られるなんて、すっごく嬉しい!」
みのりの素直な気持ちを聞いて、遼太郎の胸の方がキューンと絞られて、顔に血が上るのが分かった。