Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりがそんな風に思ってくれてたなんて知ってしまったら、これからは意識してしまって、まともにプレーができるのか心配になる。
でも……、それから次第に、心配よりもくすぐったいような感覚が優ってくる。
遼太郎は運転をしながら、唇が自然と緩んでにやけてしまうのを、どうしても止められなかった。
——ラグビーやってて、マジでよかった……!
今日のこの日ほど、心からそう思ったことはない。
ひとしきり、みのりの言葉と可愛い仕草を噛み締めてから、遼太郎はふと思い出す。
「そういえば、先生。ふっくんの妹のことで、俺に相談があるって言ってませんでしたか?」
しかし、話を振ってみても、みのりからは返事が返ってこない。
「……先生?」
遼太郎は前方から一瞬、みのりの方へと視線を向ける。
すると、みのりは首を前傾させて、ウトウトと眠りに落ちるところだった。
遼太郎はウインカーを出し、車を路肩に停めた。自分のシートベルトを外すと腕を伸ばし、みのりのシートのレバーを操作して、後方に倒す。その刺激にもみのりは目覚めることなく、スヤスヤと安らかな寝息を立て始めた。