Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「……夜、眠ってないから、やっぱり疲れてるんだな……」
このままアパートに帰って、みのりには休んでもらった方がいいのでは……という考えが、遼太郎に過る。
でも、思い直した。
遺跡に行くつもりだったみのりが、目覚めた時に自分のアパートにいたとしたら、きっとガッカリするだろう。古庄の実家に行くのは「なんで?」という気持ちもあるが、このまま行かなければ、待っている古庄にも迷惑をかけてしまう。
遼太郎はため息をついて、後部座席に置いてあった自分のコートをみのりにかけた。その刹那に、眠ったままのみのりが「にへ」と笑みを浮かべる。
遼太郎の唇にも、思わず笑いが湧き出してくる。
「先生って…、ホントにかわいいな…」
みのりの頬を撫でて微笑むと、気を取り直して、再びハンドルを握った。