Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりは、古庄の背中で泣きじゃくりながら言葉を詰まらせ、古庄に一生懸命謝った。こんなふうに背負われないと先に進めないなんて、自分が情けなくって消え入りたくなる。
「いや、別に大したことじゃないから、気にしないで。遭難したわけじゃないし、大丈夫だよ」
古庄も一生懸命、みのりの中にある罪悪感を軽くしようと優しく言葉をかけた。けれども、みのりは泣き止むどころではない。
「……だけど、……だけど、こんなことさせて、迷惑かけてしまって。ごめんなさい……ごめんなさい」
古庄は歩くことに集中できなくなり、立ち止まる。
自分の手に負えないことを覚って、後ろを歩く遼太郎へ振り返った。
——ねえさんを、どうにかしてくれ!!
遼太郎を見つめる古庄の視線は、必死でそう訴えかけていた。
遼太郎は息を整えつつ古庄に歩み寄り、背負われて同じ目線にいるみのりの様子を窺う。
「先生…、俺、復活したから。俺がまた背負っていいですか?」
「遼ちゃん……」
みのりは涙で濡れた顔をあげて、遼太郎を見つめた。
古庄がホッと息をついて、みのりを降ろす。
遼太郎はみのりを背負う前に、そっと肩を包んでその懐に抱き寄せた。みのりも遼太郎の胸に顔を埋めて、しばし抱擁してもらい、気持ちを落ち着ける。