「会いたくなったら空を見ろ」
近くのベンチに体育座りをする。

「スカートなのに、パンツ見えるよ?」

「別にいいけど。ごめんね、デリカシーのかけらもなくて」

「え、別にいいんだったら遠慮なくスカート捲らせてもらいたい」

「は? それとこれは違うでしょ。何言って……」

「ふっ、大丈夫。まだ捲らないから」

「え?」

まだって何? まだって。

きっと幸磨は冗談で言ってるはずなのに私ったら何本気にしちゃって。バカバカしい。

もうこのことは忘れよう。ダメだ、これ以上はやめたほうがいい。

「なあ、もし突然死ななきゃいけなくなったらどうする?」

ドキッとした。

ああ、この子はそれについてどう思ってるんだろう。

この場合、どう答えればいいんだろうか。

「好きなことだけする」

これが一番最適だ。好きなことだけしてから死んだほうがいい。

「幸磨?」

「そっか」

悲しいんだ。辛いんだ。

虚空を見つめていて、ふと隣を見た時にはもう幸磨は消えていた。
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