アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



「よぉ、愛華ちゃん!」

「愛華ちゃん待ってたよー」



千秋くんと颯汰くんが出迎えてくれる。

その横で今日も不機嫌そうに廉くんが座っていた。


──ドキッ。


心桜とあんなことを話したばかりだから、廉くんの姿を見るだけでなんだか胸のドキドキが止まらない。

心桜のせいだ。

廉くんのこと、意識しちゃってる。



「あれ?愛華ちゃん顔赤いけど大丈夫?」



私の顔を覗き込んで心配そうにする莉音くん。



「本当だ。体調悪かった?」



颯汰くんも私の顔を見て心配する。



「ううん!大丈夫!多分たくさん走ったから……」



廉くんを見たせいで……なんてことは言えず、また咄嗟に嘘をついて誤魔化した。



「愛華ちゃんは無理することあるから心配っ」

「本当に大丈夫だよ、莉音くん」



私はへらりと笑う。



「本当に大丈夫かよ」

「……っ!?」



廉くんが私に近づいてきて、私の顎に手を添えて、クイッと上げる。

廉くんと目が合う。

私の胸はドキドキと大きな音を立ててとてもうるさい。



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