アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
思い出すテーマパークでの廉くんの言葉。
“俺は親に勝手に応募されてて、何もしなくても受かって、勝手にデビューが決まった。アイドルを目指して頑張ってきたアイツらとは違う”
“こんな俺がデビューするとか迷惑だろ”
今も廉くんはそう思っているのだろうか。
廉くんもみんなに劣らずすごくかっこいいし、歌も上手。
ステージに立つ廉くんもとてもキラキラしてた。
シャイニングのみんなもとても優しくて、廉くんのことも仲間だと思ってくれているはず。
少なくとも迷惑だなんて思っていないはずだ。
あの時私は何も廉くんに言えなかった。
タイミングも悪かったし、なんて声をかけてあげたらいいのかわからなかった。
きっとたくさん悩んで廉くんはステージに立っている。
そんな廉くんの気持ちを少しでも軽くしてあげられたらいいのに。
そうこうしているうちに颯汰くんの電話が鳴り、潮見さんが迎えに来たとの連絡があった。
「愛華ちゃんまたねーっ!」
「またね、愛華ちゃん」
彼らが出ていく裏口でみんなを見送ってから、私は帰路に着いた。