アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「どうだったー?」
夕飯もお風呂も済ませた夜、自室にこもって心桜と電話をしていた。
廉くんのことを思い出してはドキドキして、机に向かっても勉強にならないところで心桜から連絡が来たのだ。
「心桜のせいで意識しちゃって全然見れなかった……」
「愛華可愛すぎ!今すぐ抱きしめたいのに電話なのが悔やまれる!」
電話の向こうで心桜が悶えていた。
「廉くんに気持ち伝えないの?」
「気持ち?」
「うん。廉くんのことが好きなんでしょー?」
心桜にそう言われるも、自分の気持ちがまだわからない。
廉くんの一つ一つの動作にドキドキするけれど、まだこれが、この感情が好きってことなのかわかっていない。
「……どうなんだろう」
「もうっ、愛華は自分の気持ちに鈍感すぎるんだから」
「うっ……あ、でも……」
「どうしたの?」
ふと、廉くんのある言葉を思い出す。
“絶対に俺らのこと好きになるな”
私は廉くんに前にこう言われている。
それがLikeなのかLoveなのか、廉くんがどういう意図で言ったのかはわからない。
でもそれが恋であるLoveの意味だとしたら……
「……ダメかも」
この気持ちが廉くんへの恋の気持ちだとしたら、この気持ちは叶わない。