アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



「あっ!PVが公開されてる!」



それにいち早く気がついたのは結菜だった。

シャイニングの動画アカウントをフォローしているらしく、新着動画がアップされるとスマートフォンに通知が来るらしい。

それですぐに気がついたみたい。

そんな通知を受け取っている人はもちろん多数いて、周りの人たちもスマートフォンを取りだして、画面に釘付けになっていた。



「結菜ちゃん!私たちにも見せてー!」

「いいですよ!」



結菜は知らないけれど、心桜はこのPVに私が出演していることを知っている。

だから、PVの公開をとても楽しみにしていたのだ。

結菜の周りに集まって、スマートフォンの画面を覗く。

結菜は画面をタップしてPVを再生した。

私だけが知る新曲の衣装を着た彼らが画面いっぱいに映る。



「かっこいいーっ!」



口に手を当てて目を輝かせる結菜。

この撮影を生で見たなんて、どれほど特別なものだったのだろう。

画面の向こうにいた彼らを思い出しながら、PVを見る。



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