アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



「あっ」



画面が移り変わり、心桜が声を出す。

私が出たシーンだ。

私は口元くらいまでしか出演していないので、誰かはわからない。

結菜も彼らの相手役が私だということには気がついていないようだった。



「やっばあ……こんなんされたら死んじゃうよ」



結菜の呟きに、私は心の中でブンブンと首を縦に振る。

本当に死んでしまうんじゃないかと思うくらい心臓がドキドキと音を立てていた。

編集されたPVを見ているだけで、その時の記憶が呼び起こされる。

全てを知る心桜は私とPVを見比べては、ニヤニヤとして見ていた。

5、6分のPVはあっという間に終わってしまった。



「この曲、今までで一番好きかも」

「すごいよかったね!私、シャイニングはあまり聞いたことなかったけど、この曲は好きかもしれない」

「ですよねー!愛華姉ちゃんはどうだった?」

「うん、すごい良かったと思う」



何度聞いても彼かがかっこよすぎて感動する。

これを今日また生で聞くことができるなんて、嬉しすぎる。




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