アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



「じゃあ、早速1曲目行くよー!」

「「わぁーっ!」」



曲が始まると静まる会場内。

ファンのみんなに一体感を感じる。

1曲目は、結菜に教えてもらった曲だった。

私がシャイニングのファンになってからずっと聞いてきた曲。

聞きすぎてもう歌詞も全部頭に入っている。

ファンサービスをしながら歌って踊る彼ら。

ステージの照明に照らされて、キラキラと輝いている。

そんな彼らに魅了してしまう。

初めてのシャイニングのライブに、結菜は大号泣していた。

もちろんみんなかっこいいけれど、私の目にはずっと廉くんが写っている。

廉くんへの気持ちに気づいてしまったから。

キラキラと輝く汗がまたかっこいい。

そんな廉くんの自信のなさそうなセリフがふと頭に蘇る。

デビューするのが迷惑。

今も廉くんはそんなことを思いながらこのステージに立っているのだろうか。

だからと言って廉くんは手を抜くような人じゃない。

廉くんは真面目で、きっと誰よりもシャイニングのことを思っている。

私はそう信じてる。


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