アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「お願いです。私を廉くんの元に行かせてください!」
「わかったわ。警備員さん、この子はシャイニングの関係者だから通してあげてちょうだい」
私の思いが通じたのか、潮見さんが警備員にそう言ってくれた。
「そうでしたか。申し訳ありません。どうぞ」
「ありがとうございます!」
私は大きくお辞儀をした。
潮見さんには感謝しかない。
「廉は控え室に向かってると思うわ。この先の角を右に曲がったところが控え室よ」
「ありがとうございます、潮見さん!」
私は思いっきりダッシュをした。
早く、早く廉くんに会いたい。
言われた角を曲がると人影が見えた。
首には紫色のスカーフ。
あれは、廉くんだ。
「廉くん!」
私は思いっきり廉くんの名前を呼んだ。
私の声に気がついた廉くんがゆっくりと振り向く。
廉くんだ。
さっきまであのステージに立っていた廉くん。
「な、なんでお前……」
私は止まりきれず、勢いよく廉くんの胸に飛び込んだ。